日本への配備が計画されていたベル/ボーイングV-22オスプレイは、その配備の年である2012年に2件の墜落事故を起こし、日本国内で安全性に対する懸念をさらに抱かせることとなった。このうち、1件目は4月11日。モロッコでの軍事演習に参加していたアメリカ海兵隊のMV-22Bオスプレイが墜落し、乗っていた4人のうち2人が死亡した。パイロットが機体の置かれていた状態に対して不適切な操縦操作を行ったことが原因であった。また、もう1件は6月13日、フロリダ州で編隊飛行中のアメリカ空軍のCV-22Bオスプレイが墜落し、乗っていた5人が負傷したもの(死者はなし)。これらの事故に関する報告書を精査した防衛省と日本政府は、オスプレイについて「安全性に問題はない」として海兵隊による普天間基地への配備を承認した。より最近のものとしては、15年5月17日に海兵隊のMV-22Bオスプレイがハワイで低高度ホバリング中に墜落して、2人が死亡、20人が負傷した。原因はパイロットが低高度で長時間のホバリングを行い、巻き上がった土ぼこりをエンジンが吸い込んで停止に至らしめたもので、パイロットのミスとされている。また同年12月14日には、海兵隊のMV-22Bオスプレイがアメリカのサンディエゴ沖で輸送揚陸艦への着艦に失敗し機体を損傷した。死傷者はなかった。16年12月13日には、普天間基地所在のアメリカ海兵隊のMV-22Bオスプレイが、沖縄県名護市の東海岸沖合に不時着し、機体が大破した。空中給油訓練中にプロップローターが給油機から伸びてきたホースに接触して破損し、パイロットが基地に帰投するまでの飛行の継続が困難と判断して不時着したもので、死者はなかった。