石英ガラスを使った光通信用の光ファイバーのうち、コア径(実際には光の電界分布。モードフィールド径で定義)が6~12μmであり、光が伝搬するモード(電磁波の伝わり方の様態)の数が一つであるもの。主として中距離や長距離の光通信に用いられる。モードの違いによる伝搬遅延時間の変化(モード分散)が生じないため、長距離の伝送においても光信号波形の劣化(パルス幅の広がり)が少ない。残る分散は波長分散であるが、波長1.3μmで正負が替わりゼロになる点があるため、この波長を使用するとさらに波形の劣化を少なくできる。石英系光ファイバーにおいて光の損失が最小になる波長は1.55μm付近であり、この波長において分散がゼロになるように構造を工夫した分散シフト(光)ファイバーは長距離通信においてさらに優れた特性を有するが、近年普及が著しい高密度波長分割多重方式(DWDM ; dense wavelength division multiplexing)においては複数の光信号の重なりに起因する非線形現象を抑制するため、ゼロ分散波長を1.55μmから少しずらした非ゼロ分散シフト(光)ファイバー(ノンゼロ分散シフトファイバー)も用いられる。