ガラスやプラスチックの細い繊維であり、その中心部分が光を通すしくみとなっているもの。石英ガラスファイバーは波長1.2μmから1.7μmの赤外線領域において損失が少ないことから、近距離から遠距離までの光通信に用いられている。中心部のコアが、やや屈折率の低いクラッドに囲まれており、光はコアに閉じ込められて伝搬する。光通信用の光ファイバーは構造により、大きく2つに分類される。光の伝搬するモードの数が多数存在するマルチモードファイバー(多モードファイバー)と、コア径を小さくすることによりモードを1つにしたシングルモードファイバーである。マルチモードファイバーは接続が容易なため、LAN(local area network ; ローカルエリアネットワーク)などの近距離通信に使われ、中距離や長距離の通信には光信号波形の乱れが少ないシングルモードファイバーが用いられる。
特殊なファイバーとしては、光の偏波を維持できる偏波保持ファイバーや、空孔を導入したホーリーファイバー、曲げに強いフレキシブル光ファイバーなどがある。プラスチックファイバー(POF)は一般に光の損失は大きいが、コア径を3mm程度まで大きくすることができるため接続が容易であり、家庭向けのデジタル家電などの他、装飾や照明用途にも使われる。フォトニクスポリマー技術を用いた低損失なプラスチックファイバーも開発されている。