これまで液晶ディスプレーの駆動にはアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(TFT ; Thin Film Transistor)や多結晶シリコンTFTが使われてきたが、これをインジウム・ガリウム・亜鉛酸化物(Indium・Gallium・Zinc Oxide ; IGZO)半導体で置き換えることが進んでいる。この理由は、IGZOが、現在主流のアモルファスシリコン系の材料に比較して、(1)キャリア移動度が2ケタ近く大きい、(2)酸化物半導体なのでバンドギャップ(禁制帯幅)が大きく可視光に対し透明、という大きな利点がある。このために画素のスイッチングトランジスタを小さくできることから、画素の有効面積を大きくして光の透過度を高め、画像がくっきりと明るくなるといった効果がある。一時、経営的に行き詰まったシャープが起死回生の製品として応用範囲を広げるべく技術開発に努力しており、アップルのタブレット端末iPadにも搭載されると言われている。なお、IGZOはシャープの登録商標。