原子、分子および固体中のエネルギー値は定常状態においてとびとびの値をとり、このエネルギー値をその系のエネルギー準位といい、n=1、2、3…と順番づけをする。多数の原子が非常に接近した結晶では、そのエネルギー準位はある範囲に重複してエネルギー・バンド構造を形成する。定常状態のエネルギー準位のうち、最もエネルギーの低いものを基底状態(ground state)といい、光、熱、衝突等によって基底状態より高いエネルギー状態へ移った場合を励起状態(excited state)という。孤立原子、分子のエネルギー準位は、スペクトルの解析によって求められる。また、エネルギー準位間の電子遷移を応用した素子として、レーザー、エサキダイオードや超格子素子がある。