ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を有する材料を用いた太陽電池。素子の構成材料の分類から、有機無機ハイブリッド構造太陽電池と呼ばれることもある。代表的なペロブスカイト材料はCH3NH3PbX3(X =ハロゲン)の組成を有する。ペロブスカイト層は可視領域の光をほとんど吸収することができ、1V(ボルト)以上の電圧を取り出すことができる。最近では変換効率20%以上の素子が報告され、既存の無機系太陽電池に積層して変換効率を向上させた素子も報告されている。また、溶液塗布法による作製が可能で、安価で高効率な太陽電池として注目されている。しかしながら、動作環境面において、ペロブスカイト材料に有害な鉛(Pb)を含むことや水、酸素に弱いなど、素子寿命と特性の安定性といった実用化への課題が指摘されている。