海洋上での風力発電。遠浅で堅固な海底岩盤があるイギリス、フランス、デンマーク、オランダなどの沿岸部において導入が進んでいる。特に、陸上での立地制約が出始めているデンマークやオランダでは、新たな立地点として積極的な導入を検討している。海上は陸上に比べて、風速は強く変動も少ないなど風況に優れており、風力エネルギーの潜在賦存量が多い。また、運搬・敷設時の障害物が少なく、騒音・景観問題などをクリアしやすいといった特徴がある。日本は世界第6位の経済水域面積を有しており、近海だけでも膨大な風力エネルギーを賦存している。しかし、日本の海岸線は複雑で、列島の周辺には日本海溝があるため急に深くなり、導入が進んでいるヨーロッパに比べて洋上風力発電の立地条件は良くない。設置方法としてはヨーロッパのような着底式だけでなく浮体式も考えられるが、台風や波浪の影響を考えると設置費用はかなり高くなると予想される。そのほか、立地の際には漁業補償や航路妨害などの対策も必要となり、陸上に比べて発電コストはかなり高くなると考えられる。