分子や原子の運動で発生する力学エネルギーや、殻外電子の反応に伴う化学エネルギーとは異なり、原子内部の原子核の反応によって質量の一部の欠損から発生するエネルギーのこと。核エネルギーの反応は、核分裂反応と核融合反応がある。核分裂に用いる燃料には、重い元素であるウランやトリウムがあり、核融合に用いる燃料は、軽い元素である水素の同位体(重水素、トリチウム)がある。核反応は、分裂や融合によって核の質量の一部がエネルギーに変換(質量×光速の2乗)するもので、発生するエネルギーの量は膨大である。ウラン原子1個の核分裂によって約200MeV(メガ電子ボルト)、水素の核融合では17.6MeVのエネルギーが発生する(水素原子1個が燃焼によって発生するエネルギーの約700万倍に相当する)。核反応で発生する放射線は、医療、農業や工業用に使われるものもあるが、大半は発電などの熱源として熱エネルギーに変換し利用されている。