資源作物、食品残さ、下水汚泥、家畜の排泄物などを発酵させたときに発生するバイオガスを利用した発電方法。発電には、ガスをボイラーで燃焼して水蒸気を発生させ蒸気タービンを駆動する方法と、ガスエンジンを利用して発電する方法がある。
バイオガス化は化石燃料の代替燃料として二酸化炭素の排出を減らせるほか、メタンの排出削減にもなる。また、発酵後に精製して得られる消化液と呼ばれる液状肥料は、においが少なく養分も豊富で化学肥料を減らせるといった利点がある。
バイオガスの生成には、ガス化による熱化学的な方法とメタン発酵による生物化学的な方法がある。前者は、ガス化剤と称される空気または酸素を用いて、水素と一酸化炭素を生成する方法である。経済的に発電するため、ガス化剤には一般に空気を用いており、安定した燃焼が得られる最低レベルの発熱量あるいはガス組成で発電している。
一方、後者のメタン発酵には、嫌気性生物であるメタン細菌によって行われる発酵のほかに、炭酸の還元や酢酸やメチルアルコールなどの有機物の分解によって生成する方式がある。発酵槽から発生するガス中のメタンの割合は原料の特性に依存し、一般的な値として約60%である。バイオガスの本格的な利用には、メタンの発酵速度を速めることや効率的な発酵槽の開発が課題となっている。