風車の翼の周囲をディフューザーと呼ばれるリングが取り囲み、風のエネルギーを風車に集中することで発電能力を高めたダウンウインド型の風力発電設備。ダウンウインド型とは、風上側に発電機、風下側にプロペラ翼を一軸に配置するタイプの風力発電設備のこと。風レンズ風車は九州大学で開発され、レンズが光を集めるように風を集めることから「風レンズ」と名付けられている。その原理は、リング外側を通った風がディフューザー出口で渦をつくり、その背後の気圧低下によってディフューザー内部を通過した風が増速するというものである。発電出力は、風速の3乗に比例することから、ディフューザーが無い従来型に比べて2~3倍になる。弱い風でも高出力が見込めるほか、風車の羽根がディフューザーに覆われているため、羽根による風切音が大幅に減少する特徴がある。