気体状態の燃料を指し、メタン、プロパン、ブタン、アセチレンなど炭化水素系以外に、水素、一酸化炭素、アンモニア、ジメチルエーテルなどがある。また、化石燃料、あるいは化石燃料から生産される気体燃料もある。
天然ガス(natural gas)は、化石燃料の中で最も代表的な気体燃料である。天然ガスの主成分は、メタンで、そのほかにエタン、プロパンなどが含まれている。天然ガスをガソリン捕集装置にかけて、10~15立方メートルのガスから1リットル程度のガソリンが採取できるものを湿性ガス(ウェットガス wet gas)といい、そうでないものを乾性ガス(ドライガス dry gas)という。
天然ガス以外で化石燃料起源の気体燃料に、石炭系ガスと石油系ガスとがある。それらは、石炭の高温乾留によって得られる石炭ガス(coal gas)、高温固体燃料に水蒸気を作用させて製造する水性ガス(water gas)、石炭やコークスの不完全燃焼によって得られる発生炉ガス(producer gas)、溶鉱炉から副産物として得られる高炉ガス(blast furnace gas)、それに石油を分解してガス化したオイルガス(oil gas)などである。
発熱量や比重などのガス性状は、構成成分である炭化水素、水素、一酸化炭素、窒素などの混合割合によって異なるが、通常は2万930キロジュール/立方メートル(25℃、1気圧の標準状態)以上を高カロリーガス、それ以下を低カロリーガスと区分している。