組織や臓器にある幹細胞のうち、胚盤胞からつくる胚性幹細胞(ES細胞)以外の幹細胞の総称として使われている。組織幹細胞は由来する体細胞によって、ごく限られた種類の細胞にしか分化しないものから、多種類の細胞に分化できるものまで様々で、骨髄や脂肪の幹細胞は多種類の細胞に分化できることから、再生医療(regenerative medicine)などへの応用の可能性が広がっている。骨髄や脂肪幹細胞は採取が容易で大量供給も可能であり、胚盤胞を壊してつくるES細胞とは異なり、生命倫理上の問題もなく、患者本人の細胞を使えば移植による拒絶反応も回避できる。
骨髄幹細胞は、万能性をもつES細胞とほとんど同等の多分化能をもつことも報告されている。第三の万能細胞といわれるMuse細胞(ミューズ細胞 Multilineage-differentiating Stress Enduring Cell)も骨髄幹細胞などの中に含まれている。