分子式C6H5CH3、揮発性有機化合物(VOC)の一つ。PRTR(特定化学物質の環境への排出量・移動量を公表する制度)において、最も環境排出量の多い化学物質となっている。日本における使用量は1400千t(2001年)で、使途は化学基礎原料(50%)、ガソリン添加物(30%)、溶剤(20%)である。労働環境での疫学調査から人の吸入慢性暴露では神経系影響が知られている。室内空気汚染物質でもある。化学物質リスク管理研究センターの推計では、日本の総排出量は267千t/年(固定源77%、移動源23%)で、室内発生源が原因で、日本の室内濃度指針値260 μg/m3を超える暴露人口は2%、大気環境汚染により追加的に超える人が0.17%としている。