ポリブロモジフェニルエーテルとも呼ばれる。ベンゼン環2個が酸素を介して結合したジフェニールエーテル骨格に臭素が置換した分子構造を持ち、置換した臭素の数(1~10)によって理論上209種の異性体が存在する。プラスチック、建材、繊維などに添加される難燃剤として大量に利用されてきた。環境残留性が高く、環境や生物を広く汚染していることが判明したこと、生物蓄積性を有すること、焼却により臭素化ダイオキシン類を生じる可能性があることなどのため、RoHS指令において非含有が求められた。生物蓄積性は低臭素化体の方が高いことから四から七臭素化体は、2009年にPOPs条約の下で製造・使用の禁止リストに加えられた。十臭素化体(deca-BDE)は生物蓄積性も毒性も低く、使用が許されているが、環境中で脱臭素化して低臭素化体になる可能性が指摘され、使用が控えられる方向にある。