生物多様性条約における2011~20年までの戦略目標のこと。10年の第10回締約国会議(COP10)で合意され、その開催地にちなんで名づけられた。「生物多様性の喪失速度を顕著に減速させる」という「2010年目標」の後の目標として20の目標を掲げた。主なものは(5)森林を含む自然生息地の損失速度を少なくとも半減させる。(11)少なくとも陸域の17%、海域の10%が保護区等により保全される。(17)2015年までに効果的で参加型の国家戦略を策定する-などである。日本では特に海洋保護区が問題となる。海洋保護区(MPA ; Marine Protected Area)とは、周囲の海域に比べて人間活動を制限した区域のことで、一部または全部の漁業を規制したりする。日本は、法規制されたMPA面積がきわめて少ないが、愛知目標ではMPAまたはその他の手段により保全すると書かれており、漁業者が自主的に定めた季節禁漁区なども含めることができるとされ、その自主的取り組みが評価されつつある。