2010年10月18日から29日にかけ、愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約の第10回締約国会議のこと(→「生物多様性」)。あわせて、同条約に基づいて遺伝子組み換え生物の利用等を規定したバイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書の第5回締約国会合(COP/MOP5、11~15日)と、閣僚級会合(27~29日)なども開催された。生物多様性条約の締約国会議は、おおむね2年ごとに開催されている。10年は、国連の定めた「国際生物多様性年」であり、02年のCOP6(オランダ・ハーグ)で採択された「締約国は現在の生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させる」という「2010年目標」の目標年にもあたるため、生物多様性条約にとって節目となる重要な会議となった。主な議題は、「2010年目標」の達成状況の検証及び新たな目標の策定、遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS Access and Benefit-Sharing)に関する国際的な枠組みの策定、などであった。COP10では新たな目標として「愛知ターゲット」が採択され、ABSに関しては「名古屋議定書」が採択された。日本では、COP10を前に政府が07年11月に生物多様性国家戦略を改訂し、08年6月には「生物多様性基本法」が施行された。