富栄養化した湖沼で、夏に藍藻類のミクロキスティス(microcystis)などが異常増殖し、水の表面が緑色の粉をまいたようになる現象のこと。水の華とも呼ばれる。ミクロキスティスは、球形の細胞で、ガス胞を持ち、寒天状の基質で凝集した塊を形成する。アオコが発生すると水にカビ臭などの異臭味が発生するほか、酸欠による魚のへい死を引き起こす。さらに、ミクロシスチンと呼ばれる毒素も産生する。また、浄水プロセスではろ過池の閉塞を(へいそく)早めたり、塩素消毒の際にトリハロメタン生成の前駆物質となったりするため、嫌われる。対策としては、リンや窒素などの栄養塩類の流入削減、あるいは、表層水を日光の届かない深層水と混合撹拌(かくはん)することで、藍藻類の光合成による増殖を抑える方法などがとられている。