硫黄とフッ素の化合物で、化学式SF6、分子量146.06。硫黄原子を中心にフッ素原子が正八面体の頂点に位置する構造。無色、無臭の気体で毒性は低い。融点は-51℃、-64℃で昇華する。安定な化合物で、耐熱性、不燃性、非腐食性に優れるため、変圧器などに封入される電気絶縁ガスとして重要。また、半導体や液晶の生産工程でも使用される。その安定性のために大気中での寿命も長く(3200年)、地球温暖化係数は二酸化炭素の2万3900倍と大きい。大気中濃度は上昇傾向にあるため地球温暖化に対する寄与も今後大きくなる可能性があり、京都議定書では削減すべき温室効果ガスの一つに指定されている。