吸い込むと中皮腫や肺がんのリスクが高くなるアスベスト(石綿)が建材として使われていないか、飛散しやすい状態になっていないかを自治体が調査するために、民間建築物の建築時期、構造、面積、用途などの情報を入力したデータベースの通称。国はアスベスト対策として自治体に整備を求めている。対象は1956~2006年に施工された建物で、木造や一戸建て住宅を除く全国約280万棟。アスベストの9割は、吹きつけ材や石綿スレート等の成形品などの建材として使用され、特に1975年以前の建物で大量に使用された。これらの建物の解体は2028年前後に最大になると見られ、飛散防止や廃棄物処理を適切に行う必要があり、アスベスト台帳はこの対策の基礎資料となる。12年4月時点で、448特定行政庁を対象とした国土交通省の調査では、何らかの既存民間建築物台帳の存在する行政庁は373(83%)で、このうち電子化され、対象とすべき民間建築物と必要な情報が含まれる台帳が整備されているのは24行政庁(6%)に過ぎず、整備が遅れている。