光の中心周波数である数十~数百THz(テラヘルツ Tは1012=1兆)の周りに、等間隔でくしの歯状にMHz(メガヘルツ Mは106=100万)~GHz(ギガヘルツ Gは109=10億)の周波数成分が並んでいるスペクトルを有する光。その発生には、モードロックレーザー(mode locked laser くしの歯状の各周波数の位相関係がきちんと定まっているレーザー)や変調度の大きい位相変調器(phase modulator)が用いられる。未知のスペクトルを有する光との間でうなりを生じさせることにより、そのスペクトルを高精度に同定することができる。英語の「comb(くしの歯)」の語源の通り、周波数の高精度物差しとして用いられる。その技術の確立により、2005年、T.W.ヘンシュ(Theodor Wolfgang Hnsch)にノーベル物理学賞(The Nobel Prize in Physics 2005)が与えられた。近年、光パラメトリック効果(optical parametric effect パラメトリック下方変換によって光を自発的に発する効果)と組み合わせることで、4モード・クラスター状態(四つの光子が多体エンタングルメントによってもつれている状態)を同時に多数発生させて量子計算を目指すという基礎実験も行われている。