光子一つ一つを別個に干渉させるのでなく、複数の光子をひとかたまりの物体として行動させることにともなう、その物体の波動のこと。電子や原子、分子などの物質にともなう波を物質波(matter wave)あるいはド・ブロイ波と呼ぶことにちなんだ名称。粒子一つの波動の波長に比べ、n個の粒子から成る物質波の波長は1/nになるが、光のド・ブロイ波も同じである。したがって、フォトニック・ド・ブロイ波で干渉させると、光としての色は不変のまま、実質的に元の波長の1/nという短波長の干渉が起きる。これを利用して、可視光のまま顕微鏡の分解能を紫外線顕微鏡なみに上げる試みが行われている。最近、これを微分干渉顕微鏡に適用して分解能を画素分解能だけでなく深度方向にも上げた実験が「量子もつれ顕微鏡(Entanglement-Enhanced Microscope)」の名のもとに行われた。