触媒は、そのもの自身が変化せずに、ある種の化学反応を促進するものであり、原子、分子、酵素などさまざまな触媒がある。この触媒と酸化物や金属ナノ構造、多孔質材料を組み合わせたものがナノ触媒である。たとえば、カーボンナノチューブ(CNT)のネットワーク上に触媒として働く金属酸化物を皮膜させ、CNTを加熱酸化処理で取り除くことでナノサイズの金属酸化物触媒が絡み合った構造を実現することができる。表面積の実効的な増加で高い触媒効果が期待できるほか、ナノ構造が制御された触媒での構造選択性を利用して、化学反応の選択性を高めることも期待される。分離、吸着機能により有害物質の排出抑制も可能で、化学工程のクリーン化への貢献も期待される。