たんぱく質などの特異的反応を利用して、目的の生体物質を検出するセンサー。計測対象に応じて、酵素反応や抗原抗体反応を利用したセンサーが各種報告されている。いずれの場合でも反応の特異性が非常に高いため、選択性に優れている。検出方法は、(1)炭素(カーボン)や金などの電極による電流・電圧検出や電気化学反応を利用したもの、(2)ISFET(ion sensitive field effect transistor)などの半導体と組み合わせたり、カーボンナノチューブ(CNT)などのナノチューブとの併用によって微小電流変化の検出を可能にして高感度化を図ったものなどが報告されている。このセンサーでは、ゲート電極に抗体を吸着させ、抗原と反応する際に、カーボンナノチューブを流れる電流を変化させることを利用して、高感度センシングを行っている。なお、ゲート(gate)電極とは、三つの電極をもつ素子(デバイス)であるトランジスタ(transistor)において、電極にかける電圧を変化させることにより、他の二つの電極であるソース(source)とドレイン(drain)の間を流れようとする電流をせき止めたり流したりする役割をもつ電極のことをさす。また、高分子・酵素・電気化学反応を複合化して、高感度検出および高い生体適合性を実現した酵素型ハイブリッドセンサーも考案されている。