カプセル様の容器を用いて、特定の場所に目的の薬剤を届けることを可能にする手法。腫瘍細胞における血管透過性の増加を利用した薬剤運搬法や、磁性粒子を用いて磁場により特定場所への運搬を目指す手法、金ナノ粒子など、ナノ粒子を用いる手法、目的地に到達するまでその作用が発現しないように、リポソーム(リン脂質2分子膜小胞体)やデンドリマー、高分子ミセルを用いるなど、薬剤を内包したナノカプセル(nano-capsule)や、比較的害の少ない分子で包含したカプセルを利用する。表面に抗体をつけ、特定のたんぱく質のみに反応させるようにした方法や、免疫反応が生じないよう、表面を加工またはたんぱく質で被覆したステルスタイプ、光の照射により薬物を放出するナノカプセルも登場しており、5分ほどですべての薬物が放出できる。その他、室温で液体、体温で固体になるような高分子材料も開発され、ドラッグデリバリーシステムへの応用が期待されている。