バイオミメティックとは、生体機能を模倣するという意味(→「バイオミメティックス」)。広くは、水鳥の羽毛のダウンボールに似せた高分子繊維や、蓮など植物の葉の撥水(はっすい)性を利用した薄膜、表面構造、あるいは蝶の鱗粉による光の反射・吸収を利用した塗装、繊維などのバイオミメティック材料が身近な存在である。一方、もう少し大きなもので生体の機能を模倣するという点では、魚のように尾をくねらすロボットや、シャクトリムシのように縮んだり伸びたりしながら進むロボット、動物や人の動きをまねたロボットなどを見たことがあるだろう。人間の脳などの神経細胞網を模倣した、ニューラル・ネットワーク、ニューロコンピューター(neuro computer)などもこれにあたる。最近では、目と同様の形態をもつ透明の曲面でレンズを支え、その曲面に配線を施した目型カメラや、分子で構成したギアやモーターなども報告されている。