衣服のように身に着けることができ、生体が発する電気信号を検出したり、生体に電気信号を与えたりすることができる電極。これまでの心電図測定などでは電解質ペーストを体に塗り、その上に金属電極を貼り付けるのが一般的であるが、衣服と電極を一体化することで、運動中の連続計測や24時間の心電図の監視などを被測定者の負担なしに行うことが可能になる。導電性の良さ、柔軟性に加えて、強度、耐水性、加工性、さらに皮膚がかぶれないなどの要件が重要になる。柔軟性があって軽い金属やカーボンナノチューブの電極を衣服の裏地に付着させるものもあるが、シルクや合成繊維の表面に導電性高分子をコーティングする手法も成功を収めている。コーティングした布を電極部分としてシャツなどに配置することが実際に行われており、電解質ペーストなしに、従来の医療用電極とほぼ同等の安定した心拍、心電図計測が実現されている。