おもに火星と木星の軌道の間に分布するサイズの小さい惑星。発見後、軌道が確定したものの数が現在数万個に達している。直径1km未満のものから1000kmに達するセレスまで、サイズはさまざま。軌道の特徴から一つの集団にまとめられるものがあり、木星と公転周期が一致するトロヤ群、地球の軌道と交差するアポロ群などのほか、似かよった軌道要素をもつ集団は族(family)と呼ばれ、母天体が衝突破壊した破片であると考えられている。小惑星は表面の反射スペクトルから、Cタイプ、Sタイプ、Mタイプといったグループに分類されている。Cタイプは炭素質隕石、Sタイプは石質隕石、Mタイプは鉄隕石のスペクトルと似ているとされる。2005年11月に日本の探査機「はやぶさ」によって探査された小惑星イトカワは瓦礫が集まったような形状をした天体であり、天体衝突によって形成されたものであることが明らかになった。表面にはクレーターがほとんどないことから比較的最近の衝突事件で形成された可能性がある。古生代オルドビス紀の地層中から発見された隕石から4億8000万年前の小惑星帯で衝突事件があったことが示唆されているが(→「オルドビス紀の小惑星衝突」)、イトカワの形成と関係しているかは、この小惑星から採集された試料の年代測定によって明らかにされるものと期待される。