潮汐(ちょうせき)作用によって形成された縞模様をもつ地層。地球では月の引力によって1日に2回潮の満ち引きがある。このときの水の流れによって海岸近くの粘土や砂が移動し、徐々に積み重なってできる。潮の満ち引きは1回ごとに水位や流速が変化するだけでなく、月と太陽の引力の相乗効果によって大潮や小潮が起こる。そのため、潮汐堆積物の縞模様には規則的な縞模様の繰り返しができる。1980年代に南オーストラリアで6億年前の潮汐堆積物が発見され、その縞模様の解析から当時の1年が400日で、月は現在よりも地球に近い軌道を公転していたことが読みとられ、地質学におけるトピックスとして注目された。最近では、アメリカで9億年前や3億年前の潮汐堆積物が発見されている。