過去の気候の歴史を調べると、氷床が大きく拡大した氷期と氷床が後退して温暖な気候になった間氷期が繰り返したことがわかる。こうした気候の変動を氷期‐間氷期サイクルといい、氷期‐間氷期サイクルで特徴づけられる時代を氷河時代(ice age)と呼んでいる。過去40万年においては10万年周期が顕著にみられ、さらに2万3000年や4万1000年の周期性が存在することが明らかにされている。こうした気候変動の周期性は、地球の軌道要素や地軸の傾き角の変動を反映したものである(→「ミランコビッチ・サイクル」)。最近、南極氷床で新しいコア(氷柱)が掘削され、過去70万年間にわたる気候の歴史が明らかにされた。その結果、70万年前から40万年前にかけての気候変動は、その後のように10万年周期の変動が顕著でないことが示された。また、約40万年前の間氷期と現在の間氷期に類似性が認められるという見解があり、新しいコアの解析に基づいて、いまの温暖な状態が今後1万5000年間にわたって持続するという見積もりが提示された。