地球が誕生したころに地表を覆ったマグマの海。地球は多数の微惑星とよばれる小天体の衝突によって形成された。衝突によって微惑星の運動エネルギーが熱に変わる。地球の大きさが半径2000km程度になると、衝突した微惑星や衝突点付近の物質中の揮発性成分が脱ガスして原始大気が形成されるようになり、原始大気の保温効果で地表の温度が上昇していき、地表の温度が岩石の融点(約1000度)を超えると、マグマが発生する。微惑星の衝突頻度が高いと、マグマが冷える前に次々と衝突が起こり、マグマの層が地球全面を覆ってマグマオーシャンになる。マグマオーシャン内部で岩石成分と金属鉄成分の分化が起こり、地球は形成とほぼ同時に核、マントル、地殻、大気といった成層構造ができあがったと考えられている(→「地球形成論」)。