微惑星の集積による地球の成長と、内部構造の初期分化に関する学説。現代の太陽系形成論によると、地球は多数の微惑星の集積によって形成された。衝突によって解放される熱で成長途上の地球表面は融解し、マグマオーシャン(magma ocean)が形成されたと考えられている。またマグマオーシャンを覆って厚い原始大気が地球を取り巻いた。原始大気の化学組成は、原始太陽系星雲の主成分である水素やヘリウムとは異なり、水蒸気、二酸化炭素を多く含んでいたと考えられている。前者が一次大気、後者が二次大気と呼ばれている。微惑星の集積頻度が低下すると地表の温度は下がり、水蒸気は雨となって地表にたまり海ができた。一方、マグマオーシャンでは金属鉄とケイ酸塩質のマグマの分離が起こり、中心核とマントルに分化したとされる。その後、火星サイズの微惑星が地球に激突し、飛び散った物質が地球を周回しているうちに再集積して月ができたと考えられている(→「月起源」)。