それを作った生物の分類群を特定できる構造を保持した有機物で、地質学的に安定なもので、化学化石とも呼ばれる。かつて、約27億年前の地層からシアノバクテリアや真核生物(→「真核生物化石」)のバイオマーカーが報告されたが、これは後の時代のものによる汚染であることが明らかになった。最近、約6億3500万年前の地層から、現世では普通海綿だけに知られる24‐イソプロピルコレスタンと呼ばれるバイオマーカーが見つかり、当時すでに、普通海綿あるいはその祖先の生物が存在していたことが示唆された。同位対比も分類群の特定に使え、炭素同位対比の研究から約35億年前にメタン生成細菌が生息した可能性などが示唆されている。