地球の活動をとどめた地球科学的に重要な地質や地形をテーマにした、自然に親しむための公園。日本語では地質遺産と訳されることがある。火山、鍾乳洞、侵食地形のような地球科学的に重要な景観において、地球科学者が中心になって、さまざまな機関や組織と連携し、その保全、教育、ツーリズム(観光)利用に関する活動を行いつつ、地域の持続可能な発展を目指すしくみを構築することを目的としている。ジオパークの認証を受けるには、(1)地球科学者の協力を得て、地域の人々が地形や地質の遺産的価値を理解し、保全すること、(2)地域の子どもたちや観光客に地質遺産の価値を伝える教育活動を行うこと、(3)地質遺産を楽しむことを目的としたジオツーリズムを推進することで、地域の経済の持続的な発展を目指すことの3つがあげられている。ユネスコの世界自然遺産との違いは、教育と観光利用による経済活動を推進することである。日本では、国内の認証機関として、日本ジオパーク委員会(Japan Geopark Committee)が発足し、2009年に、洞爺湖有珠山ジオパーク、糸魚川ジオパーク、島原半島ジオパークが認証を受け、10年に山陰海岸ジオパーク、11年には室戸ジオパークが加わった。これらは、火山、地震にともなう変動地形、日本列島の地質構造上の大規模構造線(フォッサマグナ)が含まれている。