2013年2月15日にロシアのチェリャビンスク州に落下した隕石。普通コンドライト(LL5タイプ)。この隕石の落下では、巨大な火球(bolide)が出現し、自動車の車載カメラなどで、落下の様子が記録された。また、火球の出現にともなって大気中に強い衝撃波が発生し、窓ガラスが割れるなどの被害が多数発生し、負傷者も1500人に達したといわれている。火球のビデオ記録などの解析によると、地球に衝突した小惑星の大きさは直径17メートル、総重量は1万3000トンで、衝突速度は毎秒19.2キロメートルと推定された。衝突のエネルギーはTNT火薬に換算して500キロトンであり、1908年のツングースカ事件以降では最大規模の天体衝突事件となった。この小惑星は上空100キロメートルあたりから発光しはじめ、高度54キロメートルから30キロメートルの間で爆発し、小さな破片となって地上に落下したとされる。隕石の総重量は100キログラム以上で、10トンに達するという推定もある。回収された隕石の分析によると、普通コンドライト(LL5タイプ)に分類され、小惑星探査機はやぶさが探査を行ったイトカワの成分と一致した。衝突した天体の軌道の解析結果によると、衝突した天体は直径2キロメートの大きさの小惑星86039(1999NC43)と同様の軌道要素をもっており、この小惑星が分裂して生じた破片が地球に衝突したものと考えられる。チェリャビンスク事件のような規模の天体衝突の危険性は、これまで過小評価されてきた。