地下にたまった大量のマグマが一気に吹き出すような大規模な火山噴火を破局噴火(ultra plinian)といい、こうした噴火を引き起こすような火山を超火山、超巨大火山、スーパーボルケーノという。地下のマグマが噴出したあとに大規模な陥没が起こり、巨大カルデラが形成される。こうした噴火では、火山噴出物の量が1000立方キロメートルを超え、火山爆発指数(Volucanic Expolsion Index /VEI)では、レベル7-8に相当する。このような噴火は、地球環境に大きな影響を与え、生物大量絶滅を起こした可能性がある。日本では、7300年前に鹿児島県南方沖の喜界カルデラで巨大噴火が起こり、大量の火山灰を放出させている。アメリカ合衆国のイエローストーン国立公園の地下にも超巨大なマグマだまりが存在することが明らかにされており、もし破局噴火が起これば、その影響は地球規模に及ぶといわれている。一方、巨大なカルデラ形成をともなう大規模な火山噴火は地球だけでなく、火星の初期史でもあったらしい。アメリカの惑星地質学者は、火星のアラビア大陸において、それまで不規則な形状であるとみなされていた窪地が巨大なカルデラであることを明らかにしている。