短い期間に多くの生物種が一斉に絶滅する事件。1982年、古生物学者のラウプとセプコスキは、海棲無脊椎動物化石のデータベースを用いて、過去5億4000万年間にわたる生物多様性を化石分類群における科の数として表した。古生代以降、生物多様性は次第に増加して今日に至っているが、地質時代の境界で科の数が激減する事件があったことが定量的に示された。生物多様性が激減した五大事件として、オルドビス紀末、デボン紀後期、ペルム紀末、三畳紀末、白亜紀末の五つが注目された。生物大量絶滅の原因としては、洪水玄武岩の活動のような大規模火山活動(→「大陸洪水玄武岩」)、小惑星や彗星の衝突(→「天体衝突事件」)、気候変動、海水準の変動など、さまざまな仮説が提案されている。