第四紀更新世中期の時代名として日本の千葉県の地層に由来するチバニアンが有力候補になっているが、イタリアの地質学者たちは、イタリアに分布する同時代の地層を国際基準模式地として提案し、イオニア海にちなんで、イオニアン(ionian)という時代名を提案している。更新世中期のはじまりを示す地球磁場の逆転に関するデータが、このイタリアの地層では不十分であったのに対し、千葉県の地層では逆転を示す証拠が明瞭であることが高く評価された。しかし、イタリアの地層においても、地層に含まれる微化石の研究や地層に刻まれた気候や環境の変化、火山灰を用いた年代測定など、多くの研究者が協力して調査・研究を進めていることで、最終選考に残る可能性がある。