数十年あるいは百年程度の長期間に、活断層で発生する地震の可能性を推定すること。数メートルの穴を掘って過去の地震による地層のずれを調べるトレンチ調査などから、地震が繰り返す間隔と最新の活動時期を推定する。これらの値から、地震が発生する可能性を確率によって示すとともに、断層の長さからマグニチュードを予想する。繰り返しの間隔は一定ではなく、長くなったり短くなったりするが、そのばらつきは断層によらず同じとされる。1995年阪神・淡路大震災の原因となった野島断層について、地震発生前に評価が行われたとすると、30年以内の発生確率は0.02~8%程度であった。数%の確率なら低いと安心するのは間違いである。全国110の主な断層帯は主要断層帯と呼ばれ、調査が行われて長期評価されているが、これ以外の活断層や、活断層が知られていない地域でも大地震が発生して被害をもたらすことがある。地下よりも地表に現れている断層の方が短い活断層では、マグニチュードが過小評価される。また、過去の地震活動のすべてがトレンチ調査で明らかになるとは限らないため、地震の頻度が過小評価される。これらの課題のため、新しい評価手法が提案されている。