揺れが大きくないのに高い津波を生じる地震に対して使われる専門用語で、1896年明治三陸地震が典型的な例。明治三陸地震級の津波地震が、日本海溝沿いのどこでも発生すると2002年に国の地震本部(地震調査研究推進本部)が発表したにもかかわらず、防災に活用されなかった。これが東日本大震災の一因である。巨大津波は、宮城県沖の日本海溝を中心とした津波地震と通常の海溝型地震との連動によって発生した。津波地震では、震源規模を正しく推定するのに時間を要し、揺れが小さいために避難を躊躇するので、多数の人々が犠牲となる。揺れが小さくとも長く続く場合にはただちに避難。過去の津波地震には、三陸沖の1611年慶長地震と1896年明治三陸地震、茨城~房総沖の1677年延宝の地震、東海~四国沖の1605年慶長地震がある。