地震波を余り出さず、あるいは出すことなく、ゆっくり断層がずれる現象。ヌルヌル地震、サイレント地震、スロースリップなどとも言う。普通の地震よりも、ずれがゆっくり起こり、人が感じる強い地震の揺れはないか小さいが、地震計にゆっくりした長周期の地震波が記録されたり、GPS観測網などで大地のゆっくりした動きとしてとらえられる。津波地震もその一種。数日程度続く場合には、短期スロースリップ、数カ月~数年続く場合には長期スロースリップと呼ぶ。東海から四国まで、沈み込んでいるフィリピン海プレートと陸の境界の深部で、半年程度の間隔をおいて短期スロースリップが繰り返し起こっている。