多くの木造家屋を倒壊して多数を犠牲にする、地震の大きなひと揺れ。周期1~2秒程度と波動が短く、強い、往復ビンタのような揺れである。阪神・淡路大震災では、多数の家屋が倒壊し、地震直後に約5500人の命が奪われたが、その原因がキラーパルスである。この地震の震源域は淡路島から神戸の地下へと広がり、3つの強震動生成域(アスペリティ)から強い揺れが発生した。淡路島の野島断層付近の浅い部分、明石海峡下の深い部分、および神戸直下の深い部分である。破壊は明石海峡下で始まって、神戸側、淡路島側、それぞれに伝わった。このため神戸では、明石海峡下と神戸直下の2カ所の強震動生成域から2度キラーパルスを受けることとなった。キラーパルスは、アスペリティの大きさと関係しており、活断層の地震のように、浅い直下型地震で発生しやすい。