数十万年の地形・地質学的証拠から、褶曲(しゅうきょく)変形が将来も継続して成長すると判断される褶曲。褶曲とは層状の岩石が波状の変形を示す地質構造。活褶曲は一般に、形成年代の異なる河岸段丘などの地形面の傾動が波状の変形を示し、褶曲の成長を示す場合に活褶曲と判断される。日本列島では、日本海側に多く分布するが、これらの活褶曲は地下に伏在する活断層による変位に伴って形成された褶曲である。したがって、活褶曲周辺の地下には伏在する活断層が存在することを意味し、防災上考慮する必要がある。2007年新潟県中越沖地震の際には、測地観測によって褶曲の成長が確認された。また、04年中越地震も活褶曲が分布する地域で発生した。活褶曲の下に伏在する活断層・震源断層の位置や形状の把握には、地質構造の把握が不可欠である。これには地表のみならず地下構造調査が必要であるため、現状では伏在する活断層の存在がまだ十分に把握されていない。