日本最大の成層火山。組成は玄武岩質で、約10万年前に小御岳と愛鷹山の間を覆って火山体(古富士火山)が形成された。関東ローム層と呼ばれる関東平野の厚い火山灰層は、主に古富士火山からもたらされた。1万年前から新富士火山の火山活動が開始される。2900年前には御殿場で岩屑なだれが発生した。2200年前に山体中央火口での最後の噴火の後、以降山腹の火口からの火山活動が続いている。平安時代には、延暦噴火(800~802年)、貞観噴火(864~866年)など活発な噴火活動が記録されている。最後の噴火は、1707年の宝永噴火、江戸に降灰をもたらした。2011年東北地方太平洋沖地震によって、大規模な地殻変動が進行し、東北-関東の火山は活動が活発化している。富士山の噴火についても、憂慮する火山研究者が多く、注意深い観測が続けられている。また、富士山南東麓では伏在する活断層の存在が指摘されている。