地震予知を目指した観測や研究を推進するために、国の省庁や大学などが協力し、実施してきた事業。1965年から始まり、98年に第7次が終了した。地震や地殻変動の観測網が整備され、地殻活動について多くの新しい知見が集積された。95年の阪神・淡路大震災を経て、地震予知の実現のためには発生機構の解明に焦点を当てた観測研究が必要との観点から、99年からは、「地震予知のための新たな観測研究」として、基礎研究に重点をおいた計画に移行。2009年以降、火山噴火も地震現象と共通の地殻活動として発生するとの認識から「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」として研究が進められてきた。しかしながら、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)を経て、地震研究の在り方が問われることとなった。14年から開始される次期研究計画は、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」として建議され、災害科学の一部として地震・火山の観測研究を推進する方針に転換した。この計画では、5カ年にわたり地震学や火山学を中核とし、理学、工学、人文・社会科学などが連携して、災害の軽減に資する観測研究が実施される。