岩石に力がかかり、ずれ動いて形成された平板状の割れ目。顕著な食い違いを示し、規模の大きなものは破砕帯を伴う。地震は断層がずれ動くことによって発生する。断層はずれ動く際に作用した力の状態によって、いくつかの種類に分けられる。正断層(normal fault)は、水平な方向から引っ張りの力が作用して断層の上側の岩盤が低下する方向にずれる断層である。断層(fault)という言葉の発祥地であるイギリスの炭田で通常見られるタイプの断層であったので、「正断層」と名付けられた。日本でも九州や沖縄では、このタイプの断層運動による地震が発生する。正断層とは逆に、水平な方向で圧縮の力が作用して断層の上側の地層が隆起するような方向にずれる断層を逆断層(reverse fault)という。日本海溝や南海トラフでの巨大なプレート境界断層は巨大な逆断層であり、こうした低角度の逆断層はスラスト(衝上断層)と呼ばれることもある。東北地方の内陸部は圧縮による逆断層型の地震が多い。また、横ずれ断層(strike-slip fault)は、水平方向からの圧縮力により断層に沿って水平にずれ動く断層である。断層をまたいで時計回りに動くものを右横ずれ、反時計回りに動くものを左横ずれという。中部地方や中国地方ではこのタイプの地震や活断層が多い。アメリカ西海岸のサンアンドレアス断層は、横ずれ断層でプレート境界を成している。