火山の下で発生する地震で、岩石の破断によって発生する火山性地震とは異なり、火山特有の震動で、複雑な観測波形を示す。振幅が小さいわりに、継続時間が長いものが多い。低周波地震なども、この地震の一種である。火山性微動は、マグマや水蒸気の流れや、地下水の沸騰、マグマ中で気体成分が発泡する過程で発生すると考えられている。火山性微動の観測は、火山周辺の地震観測網によってなされ、詳細な観測によって地下におけるマグマの移動を知ることができる。火山噴火はマグマが浅い場所へ移動することが最初のステップになるため、火山性微動は火山噴火予知にとって重要な意味をもっている。また、火山活動の活発さを示す目安にもなっている。このため、火山性微動の発生や活発化は、噴火警戒レベルの判断に利用され、火山情報として発信されることが多い。