口永良部島は、屋久島の西方12 キロに位置する薩南火山群島最大の安山岩質の火山島である。過去1000年以内に複数回の爆発的な噴火を起こし、気象庁による常時観測火山に指定され、観測が行われている。2015年5月29日9時59分に、口永良部島新岳において爆発的な噴火が発生。水とマグマが反応したマグマ水蒸気噴火であり、噴煙は高度1万メートルまで上昇した。噴火は安山岩マグマの活動によるもので、噴火に伴い、火砕流・火砕サージが発生し、火砕流の一部は海岸まで達した。噴火後ただちに、噴火警戒レベル3(入山規制)からレベル5(避難)に引き上げられ、一時は全島民が屋久島へ避難した。熱風によるやけどの被害などは報告されているが、重篤な人的被害は発生しなかった。その後、6月18日・19日と、小規模な噴火をくり返し、8月上旬以降は火山性地震も減少した。