箱根火山は伊豆半島の北端部に位置し、65万年前以降、多様な噴火活動を伴って形成された火山体群からなる。6万5000年前の東京軽石層を生み出した噴火活動は最大のもので、その後は中央火口丘周辺で火山活動が継続した。マグマ噴火は約3000年前のものが最後であり、それ以降は水蒸気爆発による火山噴出物が残されている。直近の活動は12世紀から13世紀の小規模な水蒸気爆発であったと推定されていた。2015年4月26日から火山性地震が増加し、5月3日には中央火口丘の大涌谷で蒸気が勢いよく吹き出しているのが確認され、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられた。6月29日には火山性微動を観測、大涌谷周辺の最大1.2キロの範囲で降下物が確認され、30日にはレベル3(入山規制)に引き上げられた。その後、7月21日には噴煙に火山灰が混ざるなどの活動も見られたが、次第に減衰し、9月11日は噴火警戒レベルが3から2へ、さらに11月20日には2から1へ引き下げられた。16年7月26日には箱根ロープウェイも全線で運転されるようになった。