深さが70 キロより深く300キロより浅い地震を「やや深発地震」、深さ300キロを超える地震を「深発地震」という。通常の地震は深さが70キロ程度より浅い所で発生するが、プレートの沈み込み帯では、深さ70キロ程度を超え670キロ程度まで地震が発生する。深発地震の震源は厚みをもった面として並び、発見者にちなんで「和達‐ベニオフゾーン」とよばれる。深発地震はマントル中に沈み込んだスラブとよばれる海洋プレート内部で発生していると考えられている。深発地震の下限は、ほぼ上部マントルと下部マントルの境界付近に相当する。670 キロを超えると下部マントルの密度が増加し、プレートの沈み込みを阻害し、地震活動の下限となる。2015年5月30日の小笠原諸島西方沖地震(M8.1)は、下限に近い領域で発生した深発地震だった。