日本の静止気象衛星の呼称。ひまわり1号は1977年に世界気象機関(WMO)と国際学術連合会議(ICSU)が共同で行った地球大気観測計画(GARP)の一翼をになうものとして東経140度の赤道上空約3万6000kmの高さに打ち上げられた静止気象衛星。実際には地球の自転速度で地球のまわりを回っているので地上からは止まっているように見えるため、静止といわれている。中国では地球同歩静止軌道衛星ともいわれるように「同歩」が実際に近い表現である。ひまわり5号までは気象観測と気象データの中継配信をしてきたが、2005年6月28日から運用を開始したひまわり6号からは航空管制機能ももった運輸多目的衛星となった。06年2月21日にはバックアップ衛星としてひまわり7号がH-2Aロケット8号機により打ち上げられている。ひまわり6号は30分ごとに観測を行い、分解能は衛星直下点で可視画像が1km、赤外画像が4kmと細かくなり、センサーが一つ追加された。これにより雲の形と構造から推定している台風の中心位置および最大風速と中心気圧の精度、低気圧や前線活動の監視能力が向上した。雲と雪氷面の識別や夜間の霧や層雲、薄い上層雲の把握も的確にできるようになった。